はじめから危険な気がしたのは。

 

 

 

・・・・・・・・・・他の誰でもなく、あなただったからなんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くちづけ

 

 

 

 

 

 「あ、お疲れさまです」

 「・・・あれ、・・・清田は??」

 「ノブは今日中に出さなきゃいけないレポートがあるとかで、30分くらい遅れるって、さっきメールがありました」

 「そうか。・・・・ごめん、オレも遅刻だよな」

 「・・・そうですね。5分遅刻。・・・構いませんけど」

 

 

 

 

 ・・・・・・・・練習室の壁掛け時計は、午後5時5分。

 地下の練習室に、B04に藤真さんとふたりきりだ。

 

 

 

 練習室に1番乗りしたオレのベースセッティングはすでに終わっている。

 藤真さんもこの静けさの中、もくもくと用意を始めた。ハイハットやスネアを、全部自分用の・・・左利き用の位置に運んでゆく。

 

 

 ・・・・・・・・ノブがいないと、こんなに静かだなんて。

 

 

 そう、オレは彼とまともな会話をしたことはない。オレからも話しかけないし、彼からもない。

 

 唯一たくさん話したのなんて、彼がこの前ベロベロに酔っ払って練習に来たときくらいだ。

 

 

 

 

 「・・・今日はこの前のときと違って、しっかりしてるみたいですね。・・・・・・・安心しました」

 

 深く考え込む前に、口を開いてみたら初めて優しい言葉が言えた。自分でも驚くくらいに。

 

 ・・・・・・・・・・藤真さんを見たら、大きな目をさらに大きく・・・まん丸くさせて固まっていた。

 

 

 「・・・なんです??」

 「・・・いや・・・神がそんなこと、オレに言うなんて・・・・・・・『安心した』・・・なんて」

 「確かに・・・・ですよね」

 「・・・・ああ、びっくりした!・・・・優しい神なんて気持ち悪〜っっ!」

 

 そう言って、一気に緊張から解かれたように大きな声で笑った藤真さんの手から、チューキーがこぼれ落ちた。オレの方に。  *チューキー=チューニングキー。

                                                                                                           ネジを締めるもの。ドラムのチューニングに使う。

 

 

 

 「あ」

 

 

 「・・・・・・はい」

 

 

 「あ、りがと・・・・・・・」

 

 

 

 小さな銀色のチューキーを右の手のひらに乗せて、彼に差し出す。

 

 それを藤真さんは左手で受け取る。彼が落としたものをオレが拾った。ただ、それだけのことなのに。 

 

 

 

 

 ・・・・・・藤真さんの爆笑で和むかと思われた空気が、それでまた一気に張り詰めるのを感じた。

 

 張り詰めさせたのは、彼。そして、オレ。両方だ。

 

 

 

 

 

 

 彼は、オレを怖がっているのだろうか。当然かもしれない。

 

 そういう風になるように、ひたすら冷たく残酷に接してきたのはオレの方。

 

 今更、どうできるものでもないはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・神?・・・・・・・・・・用意できた。待たせたな」

 

「あ・・・・何やりましょう?結構全部、できてますよね」

 

「・・・・あれ、合わせよう。あの曲の、Aメロ。ベースとドラムだけに・・・・オレと、神だけになるとこ」

 

「・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

当然の流れのはずだが。

 

他の曲はみんな出来上がっていて、残るはあの曲のAメロだけなのだ。

 

しかも今、オレと藤真さんしかいない。そこのフレーズを練習するのは当然の流れだ。

 

 

 

 

でも、でもオレは。

 

 

オレは、気づいてしまったんですよ。

 

 

その曲を、合わせてしまったら。

 

 

しかも、ノブがいないときに。2人きりで、誰もいないときに。

 

 

その曲の、そのフレーズは・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

「やらなきゃ・・・・・・・・・神、・・・・・やろう」

 

 

彼のその決意とも聞こえた声に、オレは顔を上げて彼を見据えた。

 

彼も、オレを見据えていた。真剣な眼差しで。

 

だからオレも、

 

「・・・・・・・ええ、お願いします」

 

・・・・・・・・ゆっくりと、はっきりと、決意の返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・藤真さんのスティックでの4カウントの後、

 

2人で向かい合ってイントロから弾き出した。

 

 

向かい合って・・・・彼の方を向いて、オレが演奏するのは初めてだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『神さ〜ん!なんで後ろ向いて弾いてるんすか〜??』

 

『ノブ・・・だって、ライブ本番中にドラムが見えるわけじゃないだろ??』

 

ドラムはステージの一番後ろで、ボーカル、ギター、ベース、その他の楽器は全部それより前にいるのだから、当然のことだが。

 

『そりゃ俺らフロントマンっすから、そうっすけど・・・・・・・』

 

『ドラム見ながらやってたらさ、手元が見えちゃうからブレイクのタイミングとか入りとか、全部わかっちゃうじゃない。

・・・・それに慣れちゃったらさ、本番に困るでしょ??』

 

自分でも、間違っていることはわかってる。

 

いや、この理論自体に間違いはないが、それは曲がある程度完成して慣れてきたとき、もしくは本番近くなったときに実行することだ。

 

・・・・・こんな曲を初めて合わせるような段階から、行うことじゃない。なんのための練習なのだ。

 

『え〜!?そりゃそうっすけど・・・・・・』

 

ノブがしぶしぶ抵抗をやめた。

 

 

そのとき、ちらりと藤真さんの顔が目に入った。・・・・・・その顔は、とても悲しそうに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこうやって、きちんと向かい合って演奏するのは初めてだ。

 

彼の手元を見ながら、オレは自分個人では弾きなれたフレーズを、ベースを指で弾く。

 

彼を直視することができなかった理由なんてわかってる。

 

自分がどれだけバカだったのかも。

 

オレは、オレは自分の彼に対する感情を自分で理解できずに。

 

限りなく湧き上がって満たされることのない征服欲を、憎悪と勘違いした。

 

そしてさらに今。そのことに気づいた今。

 

オレは、オレは・・・・・・・・・感情を制御することが・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

♪♪♪♪♪♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

次。

 

次だ。

 

この、ブレイクの後の一拍目。アタマ。

 

藤真さんが、オレを見た。

 

『大丈夫だ、できる』って、目で合図した。

 

 

 

わかってやってるんですか??あなたは・・・・・・・・・・・。

 

 

これを弾いてしまったら、オレはきっともう・・・・・。

 

 

後戻りは、

 

 

制御は、ききません。

 

 

 

 

 

 

オレは、オレは・・・・・・・・・・・・・・・。

 

そして、その、一拍目を、

 

1弦の7フレット目の、シの音を。

 

・・・・・弾いたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・・できた!な、できただろ!?神、お前ができないはずないんだよ!!」 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤真さんの、興奮した声が嬉しげに練習室の防音の壁に吸い込まれてく。

 

 その声はオレの鼓膜も素通りした。

 

 

 

 オレの体は、平常な精神を完全に追いやってしまっていた。

 

 藤真さん・・・・・・・・・・・・かわいそうだ。あなたは、あなたはもう、

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・オレから、逃げられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのフレーズを弾くのは気持ちよすぎて。

 

 

 

 

わかっていたから、弾くのが怖かったんだ。それは、

 

 

 

 

 

今までオレがベースやってきたのは、このためだけに・・・彼とこうして演奏するためだけにあったのかと。

 

 

 

 

 

オレの、オレの今までは、

 

 

 

 

 

彼に出会うだけのためにあったのかと、オレに錯覚させるに十分だった。

 

 

 

 

 

錯覚させる・・・『錯覚』??

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・それでもかまわない。ただ、オレは今、

 

 

 

 

 

彼が欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オレはベースを乱暴に引っ張って、肩にかけていたストラップごと引きちぎった。

 

 そしてネック掴み、ベースを練習室の床に思いっきり叩きつけた。

 

 ・・・・・楽器を、こんな風に乱暴に扱ったのは初めてだ。

 

 反動でシールド(コード)がベースから抜けて、

 

 『ビーーーーー』とアンプがひどい唸り声を上げた。耳障りな音が部屋中に鳴り響く。

 

 

 

 オレはそんなベースをそのままに、

 ・・・・・ゆっくりした動作で壁際のドラムセットに近づく。

 

 興奮しすぎておかしくなったのか、驚くほど冷静な自分がいた。

 

 狭い練習室。ハイハットの足にオレのつま先が当たるのに、2歩かからなかった。

 

 藤真さんが怯えた様子で、スティックを手に持ったまま椅子から腰を浮かせた。

 

 怖くても目を逸らせないのか、もともと大きいが、もっと大きく見開かれたガラス玉みたいな彼の目には、

 

 だんだん、しっかりと近くなるオレと、そんなオレに怯えた恐怖の色が映っていた。

 

 オレは彼の、自分のものより・・・・・・・さらに白く細い両手首を掴んで、壁に乱暴に貼り付けにした。

 

 

 

 そして、

 

 彼の手からドラムスティックがこぼれ落ちるのが見えたのと、

 

 オレの視界がなくなるのと、

 

 くちびるに熱く、生々しい感触が走ったのはほぼ同時だった。

 

 

 ・・・・・・・・・オレは、彼に、

 

 初めてとか、純粋とかいう言葉とは程遠いほど、ねっとりとした・・・濃厚なくちづけをした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぎゃー!!・・・・・40分も遅刻だっっ!神さんと藤真さん・・・怒ってるかなーっっ!?」

 

 

 もうっっ、練習の日に限ってレポートだなんて!!

 

 だいたいあの教授、おかしいんだよ。授業時間内に到底書けない長いレポートなんて、出すなよなぁぁ!!??

 

 あーっ、俺は少しでも多く練習したいってのに!!B04のレスポール使い、天才ギタリスト清田信長!!・・・くー!早く外のライブハウスに出たいっっ!!

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・・・すみませんっっ!!本っっ当にすみません、神さん、藤真さん!!」

 

 俺は練習室の重たいドアを勢いよく開けると同時、深く頭を下げた。

 

 

 と、アレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??

 

 

 「・・・ノブ、思ったより早かったね。それでレポートはできたの??」

 「・・・あ、はい何とか・・・。遅れてすんません・・・・・・・・・・・」

 「レポートじゃ、仕方ないよね」

 「は、はぁ・・・・・・・・・・・・・・・」

 「何?そんな入り口に突っ立ってないで・・・早く入れば??」

 「はぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 ・・・・・・・・・・・・・な〜んか、おかしいぞ????

 

 

 いや、何がおかしいって言われても正直わかんないんだけれどもさ。

 俺の・・・・清田信長、独特のカンが、いつもとは違う空気を察知している。

 

 ん〜と、ん〜と・・・・、

 

 そう、空気が違うんだ!

 

 ・・・今まで神さんと藤真さんの間にあったはずの、

 

 ぴりぴりとした緊張の空気が、そこにはないんだ。

 

 神さんも・・・いつもみたく何考えてるかわかんない&ほがらか・・・ってのじゃない。

 

 なんか神さん・・・あ!今日はご機嫌だ!ご機嫌だと、何故か耳によく触るんすよね、知ってますよ・・・ふっふっふ。

 

 ・・・・・・・・でも、何が嬉しいんすかね???

 

 一方の藤真さんは・・・うなだれてる。なんだか元気ない??いつもの(下品な)ノリがなくて、しおらしいんすけど・・・。

 

 「藤真さん?体調でも、悪いんすか??」

 

 「え!?・・・・何でだよ!!??」

 

 「え!?べ、べつにずっとうなだれてるし元気ないみたいに見えたから・・・??

 そんな大きい声、出さなくてもいいじゃないすか〜、びっくりした!」

 

 ・・・・・・・・・てか、藤真さん、顔真っ赤だし・・・・。いったいこれはなんなんだ???

 

 「・・・・・・・・・・・・神さ〜ん??」

 

 「・・・・・・・・ぷっ、何??ノブ」

 

 「神さん!?何笑ってるんすか!?・・・なんかあったんすか??てか、絶対あったんでしょ!?」

 

 「べつに何も?ね、藤真さん??」

 

 「ないないない!なにもない・・・・!!」

 

 ・・・・・・・・・って大否定しながら、ますますユデダコ状態の藤真さん。

 

 も〜!オレいない間に、何があったんすか!?神さん!?藤真さん!!??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・どのくらいの間そうしていたのか。

 

 オレの背中に藤真さんの両手が回されてて、

 

 オレの重ね着したTシャツを・・・・ときおり頭を、髪の毛を、少し痛いくらいに掴んでくる。

 

 

 「 ・・・・・・・ん!・・・・・・・・・・・・・・・!あ!はぁっっ・・・・」

 

 ・・・・・・・・お互いの舌をも絡めとりそうなくらい。

 

 離す気のなかったくちびるから、無理やり顔をそむて逃げ出したのは、

 窒息するような激しいキスから、先に音をあげたのは彼だった。

 ・・・・・・・でも、オレはそれを許さない。

 ずっとオレの思考で否定し続けていた映像が、今ホンモノとなって目の前にあるのだから。

 

 

 オレはすぐさま白く滑らかなうなじに吸い付いた。

 

 「あ!・・・・・・・・・・・・・あ!!」

 うなじが弱いのか、彼は哀願するような、甲高く悲痛な悲鳴を上げた。

 

 彼のうなじは想像していた通りにすべるように滑らか。

 

 止める気なんて・・・・・・・・・・・・・・。

 

 オレの中のサディスティックな感情は、もう止まらない。

 

 

 さらに彼のTシャツを練り上げようとしたら、彼は初めてもともと赤くなっていた顔を、もっと真っ赤にして抵抗した。

 

 

 ・・・・・・・でも、体に力が入らないようだった。

 

 「!あ                   !!い・・・イヤぁぁぁ・・・!んっく」

 

 

 ・・・・左の乳首を強めに噛んだら、鼓膜に刺さるくらいの悲鳴を上げた。

 

 彼の口から初めて発せられた否定の言葉に、オレは顔を上げて彼を見た。

 

 

 

彼の目も、オレを見つめていた。視点の定まらないうつろな目で、一生懸命に。

 

彼の瞳からは恐怖の色は消えて、代わりに涙と欲情の色が浮かんで見えた。

 

 今の彼は、いつもの彼じゃない。あえていうなら、この前酔っ払って練習に来たときの彼・・・。

 

 いや、そんなものよりずっっと 淫乱 だ。

 

 

 

 

  ・・・・・・・・・いつもの冷静沈着な彼はそこにはおらず、 

 

熱のこもった瞳で捕らえられたオレは、溢れ出る涙でひどく歪んで映っていて、

 

真っ白でやわらかい頬っぺたを真っ赤にさせていた。いつもより、ずっと幼く見える。

 

・・・・・・その顔、たまらなくイイですよ・・・。

 

 

 

「・・・・あ!」

 

オレは藤真さんの、立っていられないかのようにガクガクする腰を掻き抱いて、彼の太股に自分のモノを当てがった。

 

・・・・・・ズボンの上からでも十分すぎるほど、カチカチに固まった自分のモノを。

 

 

 

 

彼は一瞬困ったように眉をひそめたが、すすり泣きながらも、はっきり、オレを捕らえて言ったのだ。

 

「・・・じ、ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・好きに・・・して」

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・そこからのことはあまり覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

  「藤真さん、大丈夫っすかね〜・・・」

  「・・・だと思うけど。どうかなぁ」

  「・・・・・・ほら!また笑ってる!!今日の神さんおかしいっすよ!笑いっぱなし!・・・まったく俺がいない間に何があったんすか!?」

  「おかしいっていうなら、藤真さんのほうがおかしかったでしょ??」

  「そうっすよね〜・・・腹が痛かったから集中できなかったんすかね〜」

  

 

 

  外は、肌寒かった。

  俺と神さんはクラブハウスの前で藤真さんを待っている。

  ・・・・・藤真さんは、練習が終わってすぐにトイレに駆け込んでいった。

  駆け込む・・・というのは違うかな?ん〜と・・・駆け込む元気もないくらい、ヨロヨロ這いずって行ったんだ。

 

  ・・・・・・・B04の左利き天才ドラマー、本日不調。体調不良により・・・??だったのかなぁ。

  

 

とにかく今日の藤真さんはおかしかったんだって!

キックもスネアやシンバルにも、力が入ってないって言うか・・・。

テンポの速い曲なんて、俺でもわかるくらいもたったんだ。藤真さんにとって有り得ないことだ。

絶対おかしかったって!顔も青白かったし!!

・・・なのに俺が『藤真さん、体大丈夫ですか??』みたいに言うと青かった顔、真っ赤にして『大丈夫!』の一点張りだし。

その俺らのやりとり見て神さんは笑いこらえてるしさ〜!!??

もうっっ、笑ってる場合じゃないってのに!てか神さんがあんな笑うのなんて初めて見ましたよ俺〜っ!ホント何あったのか教えてくださいよっっ!!

 

 

 

 

「・・・・・『私の彼はドラマー  タイコタ タ キ』」

・・・・・・・・・・俺のとなりで神さんが、突然ひとり言のように歌い始めた。

 

 

「『♪ちょっとイカれてるけど アレのリズムは最高』・・・っすよね??イヤラシ〜!!」

 

俺はその続きを歌ってみせた。うわ〜〜!自分で歌っといてアレだけど、やっぱヒワイな歌!!カッケーけど。

 

「『アレのリズムは』・・・・・・?まぁ、そうかな」

 

続きを歌った俺に、神さんはまたまたひとり言のように、嬉しそうにそうつぶやいた。

 

・・・・・・・ん?何がすか??

 

 

 

あ、そういえばそんなことより。

 

神さんが歌うのなんて、俺、初めて聞いた・・・・。

 

 

『“私の彼はドラマー タイコタタキ

ちょっとイカレテルけど アレのリズムは最高”だってよ

テレビの画面 オレはくちづけ』・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・神さんが歌ったのは、ブランキージェットシティの『くちづけ』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これよー!このオチよー!!・・・ってかオチだったんですかね;

でも、こういう結末で終わらすのはずっと決めてたんです。なのに、完成までの道のりは長かったですね(笑)。

今回のお話のポイントは『サディスティック神さん』ということで(笑)。

//参考文献『ブランキージェットシティ:くちづけ』

 

 

 

 

 

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