イントロダクション・YUMEGIWA LAST BOY 
始まりは、夢際。あなたが月で、俺が海で・・・?

 

 

 

 

 

月を見上げると、思い出す人がいる。

あ、ちげーかな・・・思い出すも何も、俺は常にその人を想ってるから、 

『月を見るとその人をすっごい鮮明に想う』 って言ったほうがぴったりかも。

 ・・・特に、こんな風に海辺で見上げる月は、それはもう、鮮やかに。




 海。潮の満ち干き。作用する月の引力。




 ・・・俺は海?だってあなたしだいだ。

俺が満ちるも干くも、例え今は姿が見えないほど遠くにいても・・・すべてあなた次第だ。

俺に作用する、月なんかよりもっと強力な 「あなた」 って引力。

  

覚えてますか?

 たった1度だけ、月と海が触れ合ったことを。

 あの時、俺は観たんだ。夢際を。


 ・・・俺のくちびるが触れるまでの一瞬、

 まぶたを閉じるその瞬間、

 彼の後ろに見えた大きな満月・・・。


 俺の愛しい彼を、

 世界中の綺麗を集めても敵うはずもない彼を、

 嫉妬した満月が、ますます美しく、青白く照らしていたことを。


 今でも鮮明に。

 あの場面に、取り残されている、俺の心。

もしかしたら俺はまだ、夢の続きを見てる?

 だって・・・思えばあの頃のすべてがまるで、

夢際のような出来事だった・・・。



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2014.10.14 大安 改訂
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