ブラコン味覚ディストーション



・・・以前より自覚はあったが、やはり藤真健司は年下の男に弱かった。

昔から周囲に大抵、
「藤真くん、長男でしょ」とか「弟か妹がいるでしょ」とか、
自信満々に当てにこられた。

色々説明するのが面倒だし、それこそ同情される理由もないのでその類の質問には
「よくそう言われます。でも、ひとりっ子なんです」と答えるようにしていたが、実は彼らの指摘は当たっていた。

藤真には幼いころ・・5つになるまで弟がいた。
2つ年下で、年が近いとありがちだというライバル心もまったく湧かなかったのでケンカもなく、弟を常に可愛いと思った記憶しかない。
・・・弟が突然の事故で3つのときに呆気なくいなくなってしまうまで。

・・そう、藤真の精度不明の自己分析によると
自身のブラコンは、幼い頃の弟を想う不完全燃焼から・・・奥深く根ざしている。
突然の弟の喪失で、その想いだけが行き場をなくしたままくすぶって募っていったのだ。
その結果、今でも年下の男を見ると無条件に・・本能的に可愛いし、世話を焼きたくなるのだ。
誕生日が半年ほどしか離れていない男でも、ひと学年下だという事実だけで大半の行為が許せたり、微笑ましく思えてしまう。
例えそれが自分より相当背が高くガタイが良く、男くさい人物であっても、だ。

もうこれは病気に近いに違いない。しかも軽度ではない。
それでも、そのこと自体悪いとも思わない。
それはすでに藤真という人格をなしている荷重の多い性質の1つなのだから。
そう、自分が左利きだというくらい、
人には表立って公表してないだけで、彼が年下男に甘いのは不動の事実なのであった。

ところで弟・・・は、全然自分と似ていなかったが、なかなかの美少年であった。
艶のある黒髪で、下まつ毛が長かくて・・幼くして、すでに端正であった。

・・そして今も目の前にいる年下の男も、その特徴を兼ね揃えている。


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(どうして、こうなった?)

流川楓。
ますますこの男に、自分は強くは出れまい・・。

そう、家に帰ればいるあのラテン男も年下で
彼らの顔の系統は全く違えど、やはり色男で黒髪で、下まつ毛が長かった。
目の前の年下男と、家の年下男。年齢は1つ違いなはずだ。

何の因果か高校バスケ時代、二人は事あるごとに対比されていた。
流川のそのプレイは、彼が上級生になる程、家の同居人に似てきた・・と何かの雑誌で見た。
プレイはもとより、二人とも、気まぐれに見えて飄々としているところが、もともと似通っている。
目の前の男の方は、単に鈍感なだけかもしれないが。
ちなみに家にいる方は、鈍感に見えて実は過敏なのだ、ということに
藤真はようやく、最近気付き始めた(相手が、その性質を悟らせないようにしていたのだろう)。
・・・特に最近は色々あって・・その傾向が強いように思う。
(これは当面の藤真の気がかりな事項である)

・・・ところで、流川と何故K電産の最寄り駅近くの
小料理屋の個室で対峙しているのかというと。

(まったく・・・会社というのはどこでどう繋がるか解らないものだ)

この流川も、現在出向中でK電産のセキュリティ部門で働いているとは周りから聞いていたし、バスケ部での活躍は、社内で騒ぎになっていたからもちろん知ってはいたが。

だが、お互い忙しく飛び回る身。
冗談みたいに無駄に広い社内。
故に実は、社内で会ったのはこの前の水曜日が初めてだった。


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「伊藤、あと5分しかない!!部屋、わかるか!?」
「管理棟の701号室です!和室でやるみたいです!!」
「クソっ・・遠いな・・!走るぞ」

先週の水曜日の午後、K電産には消防署から救急救命士が来て
救命講習を開催してくれる運びになっていた。
そこに、エンジン部の防災隊である藤真と伊藤は出席する必要があったのだ。


・・・息を切らして和室につくと、講習が始まろうとしていた。
だだっ広い和室は30人くらいのK電産社員と、救命士7、8人で埋まっていた。

だが・・・

「おい・・この部屋寒すぎないか?」
「確かに、冷えますね」

和室の寒さは異常だった。
みるみるうちに指先まで氷のようになる。
この温度は、恐らく外とあまり変わらない。
言わずもがな、藤真は寒さにひどく弱かった。
ただでさえ、急いでいて上着を忘れて飛び出して来てしまったというのに・・・。

周りからも上がる同様の声で、
どうやら空調が壊れているらしいことを知った。

「うう、本当に寒い・・・俺が救命されなくちゃいけなくなるかも・・・」
「藤真さん、気を確かに!!」
「上、羽織ってくるんだった・・」
「急いでましたからね・・」
「伊藤、後は頼んだ・・・」
「ふ、藤真さん!?」

凍えながら救命士の説明を聞いていると、
グループ会社のK電産セキュリティの制服を着た人間が4人、ハシゴを持って入ってきた。

そして、おもむろに空調をいじり始める。

「あ、直してくれるのかな!?」
「神様!!K電セキュリティ様!!直してください!!一刻も早く」
「・・あれ?あれって」
「あ?」

・・・その4人のうちの1人が、なんと流川楓だったのだ。


空調は結構いじらなくてはならなかったらしく
15分近く、天井をガタガタやっていた。

その間も救命士の説明は進み、講習は実技に移った。
人形を使っての人工呼吸と、心臓マッサージだ。

「では、実際やってみましょう・・各グループ、まずひとり前に出て・・」

「藤真さん、しっかり!!」
「うー・・・体動かせば少しは温まるか?」

藤真の唇はすでに青紫だった。
その唇のまま、訓練用のゴム人形に横から口づけて息を吹き込み
勢いをつけて心臓マッサージをする。
人形まで、冷え切っている。指先が震えて・・全然ダメだ・・・。

と、温かい空気が頬を撫でた気がした。
顔を上げると、2人1組でハシゴに上がっていたセキュリティ会社の人間がハシゴから降りてきたところで、周りにいる社員たちに「お疲れ様」とか「ありがとうございます」とか声をかけられている。

どうやら、空調は直ったらしい。

藤真たちの頭上からも、温かい風が勢いよく吹き込んできた。

「やった!!!」
藤真が思わず歓喜の声を上げる。
「まだです!マッサージあと10回!」
・・・救命士に怒られた。


実技は藤真の番が終わり、伊藤と交代になった。
藤真が隅に退くと、ちょうど流川と他の修理の人間が帰るところだった。

藤真は、流川と目が合った・・・気がした。
思わず、藤真は声をかけた。

「流川、ありがとうな」
「・・・」
(って、俺のこと、覚えてないか)

高校時代、対戦したのは何年前のことだった?
一方的に覚えているだけの状態。
有名人だからそういうことは多いと思うけど・・・
急に知らない相手から呼び捨てで呼ばれて、不審に思っただろうか。

「あ、ごめんな慣れ慣れしく。流川、有名だからさ。
とにかく、直してくれて助かった。本当にありがとう」
「アンタ・・」
「うん?」
「藤真サン」
「え?俺のこと知ってんの?・・っていうか覚えてんの?」
数少ない試合と合宿で、一緒になったくらいだ。
まぁ、一般の人間ならそれで十分覚えているかもしれないが
なんせ、よくは知らないが・・相手はあの流川なのだ。
十分、忘れられていそうであるのに。

「トーゼン」
意外と記憶力が良いのかもしれない。
「そうか、光栄だな・・俺、今A号館のエンジン部でエンジニアやってんだ。
お前がここ入ってバスケやってるのは、俺はもちろん知ってたけど。大活躍じゃないか」
「エンジン部って、知ってる」
「え?」
「牧さんと、一緒なんだろ」
「あ、ああ。そうか、牧から聞いたのか」
流川は黙ったまま無表情で、喋っている藤真を見つめている。
その間に、他の修理の社員たちは黙々と部屋を出て行く。

「あ、お前、置いて行かれるよ?呼びとめて悪かったな。
空調、本当にありがと。なんてお礼言っていいのかわからないくらいだ」
「極度の、寒がり」
「うるせー、仕方ないだろ」
「唇が青い」
「ちっ・・やっぱり?」
「・・・・・・・」
「ね、お前、戻らなくて良いのか?」
「・・お礼」
「え?」
「お礼、言わなくていいから、して」
「は?」
「お礼して」
「何?」
「メシ。連れてって」


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・・・今思い返しても、奇妙なエピソードだ。
それでこの、小料理屋の個室で対峙している構図に繋がるのである。

藤真は、流川が何故メシに連れて行けと言い出したのかが
不思議でたまらなかった。まったく話がみえない。

本気でメシを食いたいだけではないだろう。
聞けば寮に入っていると言うから、そこで三食出るはずだ。
否、100歩譲って外食したいだけだとしても、
何も藤真と2人で食べなくても、良いではないか。
もし自分だったら、対して親しくもない相手と
2人きりで食事をするというのは・・・あまり喜ばしいものではない。

だったら、流川は何故、自分と食事をする?
・・藤真は、やっぱり考えてもわからなかった。
特に深い意味などないのかもしれない。
この超人的な男を、一般的な感覚で語ろうと言うのがそもそも無謀なのか。

・・ただ1つわかるのは、藤真自身はこの場を嫌だとか気づまりするとか思っていないことだ。
逆に、少し嬉しく思っている。

だって、相手はK電産のバスケ部期待の星、流川だ。
まず純粋に、ミーハーだが、そこに興味がある。
それに藤真は不思議なことに、よく知らないこの後輩を本能的に好きだった。
否、不思議なことに、という表現はおかしい。

そうだ、それは不思議でもなんでもない。
だって、藤真はブラコンなのだ。
年下の男が無条件に好きだし、おまけに流川は、亡くなった弟に似ていた。
理由は、その2つで十分だ。


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(年下って、やっぱり可愛いよな・・・)
高校時代よりさらに大きくたくましくなった大男が
焼き魚を意外に綺麗な箸使いでさばくのを見ながら、藤真はそんなことを思っていた。


そう言えば・・・数えるほどしかいない、
今まで自分が「付き合った」人間たち。
年上、同い年、年下と、その順番でちょうど1人づつ付き合った。

年上には、反抗心が湧いてしまっていたっけ。
事あるごとに上からモノを言われている気がして、
偉そうにされている気がして、嫌だった。
付き合った当時、藤真は大学生で相手はすでに社会人だったから、社会人に対する憧れや尊敬のようなものもあったが・・・

何でもない、自分も社会人になってしまえば
相手が急に不甲斐なく見えてしまった。
大したことないのだ。
社会人なんて、時期が来れば誰でも自然になるのだ、と。
さらには “年上だからしっかりしてて当たり前”、“年上だから何でも自分よりは出来て当たり前”、
“年上だから甘えさせてくれて当たり前”という、最初の期待値の高さが災いした。

・・・実年齢が年上だからといって、自分より出来ることが多いわけでも、
精神年齢が高いわけでもないということをこの時学んだ。


次は、社会人になってから付き合った同じ年の、関西弁。

これは、本当に悪かった。
藤真はこの時期、体も心もバランスを崩してしまって、
今振り返ると情緒不安定であったなと思う。

悪いことだけだったとは言わないけれど、あの時には2度と戻りたくはない。
あの時期の終わりがけから立ち直るまでの1年間弱、
藤真は本当に地獄を見たと思っている。
あれは、同じ年だから悪かったというよりは、
あの男との折り合いが悪かったに違いないのだが。
・・・同じ年というのは、どうも何に置いても
半分・半分やらなくてはならない気がして恋人というよりは同士に近い関係になってしまう。
しかも、年が同じなので意地を張りだしたらどちらも折れない。
自分としては、ライバル心が1番湧いてしまうのだ。

・・・この関係も、藤真には向いていなかった。


そして、年下の男。
今、まさに付き合っている。同棲なのか、同居なのかをしている。
・・・これが、すべてに置いて絶妙なバランスでうまく行っている。

何せ、嫌だと思うところがほぼないのだ。
ストレスフリー。これは大きい。
藤真の年下好きは、やはり絶大だった。
相手が可愛いから(という思い込みかもしれないが)、寛大になれるのだ。
年下というだけで、甘くなれる。
それに最初の期待値が低いので、相手が何をしてもプラス評価ができる。
例え、できなくても仕方ないなと許せるし、簡単に諦めもつく。
自分の怒りや嫉妬心を湧かせることなく毎日を送ることができることの、
何と素晴らしいことか!

当初は、不安が湧いたこともあった。
藤真自身が年上と付き合っていたときに思っていたこと・・・
“年上だからしっかりしてて当たり前”、“年上だから何でも自分よりは出来て当たり前”、
“年上だから甘えさせてくれて当たり前” を、相手が藤真に対して思っても、文句は言えないということに気付いたからだった。

何故だかどんな年代からも、“しっかりしてて、何でも出来て、甘えさせてくれる”という印象を持たれる・・その印象はあながち間違っていないのだが・・不憫な藤真である。
しかし、彼だって人間だ。苦手分野はある。
例えば、藤真は家事がめっぽう苦手であった。
やろうと思えばできないことはないのだが好きにはなれないし下手だし面倒・・・
つまりは、不器用なのである。

それに、仕事で車に携わっているのに自分自身はまったく車に興味がないし、
披露することはまずないが歌は音痴だし、絵は劇的にヘタだった。

でも、藤真のそんな部分を今の年下の彼は「そんなことろも可愛いですよね」
と言ってくれた。
笑って、「問題ないです」と言ってくれた。

まぁ年下といったって、今一緒にいる人間は器が非常に大きいワケで。
(結局は精神年齢の問題だよな・・でも、やっぱり年下最高。ふふふ)

藤真が、そんなことを思っていると
いつの間にか流川が箸を止めて じー っとこっちを見ているのに気付いた。

「なんだ?どうした?」
藤真は、少し首をかしげる。
「今、笑ってた」
「え?そうか?」
「もう、青くないな」
「青くない?」
「・・・クチビル」
「あー、救命のときのことか?」
流川の、話を理解するのに最低限必要であろうセンテンスで話すその独特の癖は、嫌いでない。
彼は、自分自身に燃費の良い生き方をしている。
(環境(周りの人間)への影響は未知数だがな・・・)


「あれは、寒かったからだ。
お前たちが空調、直してくれただろ?
・・・だからこうして食事してんじゃねーか、お礼、なんだろこれは?」
「お礼?」
「そうだ。お前が言ったんだろ?」
「そうだったかも」
「そうだろ、変なヤツ」
「アンタあの時・・キスしてた」
「きす!?」
「・・・」
「・・・?」
「人形に」
「!・・・あ~!人工呼吸のことか」

驚いた。
突然、キスとか。何事かと思った。
さっきの一瞬藤真の思考は、算術オーバーフローしていた。
「きす」が何なのかわからなかった。
さすがに魚でフライにすると美味しい方、とは間違えなかったけど・・
その言葉の意味を、脳裏から引っ張って来られなかった。
もちろん、言葉も行為も知ってはいた。何度もしたこともある。
それどころか、今朝も一緒に住むその男と交わしてきたばかりであった。だが。
流川の口からそんな言葉が出るとは、予想だにしていなかったのである。
そして、次に浴びせられる言葉にはさらに度肝を抜かれることとなる。

「・・・あんなのを、キスとか言うなよ」
「でも、キスだろ」
「おまえ、保健の授業で過剰に反応する青臭いガキみたいだな」
「うるせー」
「この中二病」
「何だそれ」
「思春期真っ只中で暴走してるってことだよ」
「そんなことねーよ」
「でも、人口呼吸をキスとか」
「ずっとしてねー」
「は?」
「してねー」
「・・・人工呼吸を?」
「キスを」
「キスを?」
「ずっと、キス、してねー」
「・・・・・・・・・・・」
「ずっと、キス、してねー」
呆けている藤真に、流川が再度同じ言葉を同じ調子でリプレイする。
何故、自分は流川からこんな打ち明け話を聞いているのだろう。
特に親しくもない、自分が。

「・・・お前、酔ったのか?」
「まさか」
・・言った後に、流川が飲んでいるのはウーロン茶だということに気付いた。
忘れていた。
彼はここで一滴もアルコールを飲んでいない。酒は、好きではないのだろう。
ちなみに、藤真は焼酎のお湯割りを飲んでいた。
彼は、ザルだった。

「お前意外と下ネタ好きなんだな」
「ハ?何だそれ」
「だって、いきなりそんなこと言い出すなんて」
「事実を言ったまでだ」
「・・付き合ってる人とか、いないの?」
「興味ねー」
「ふーん・・・興味ないのに、キスすることには興味あるんだ・・」
「・・・俺も今年の始めに、講習受けた。キュウメイの」
「あ、お前もあれやったの?」
「そこで、キスした」
「・・人形に、だろ。あれはキスとは言わない」
「今年は、その人形としかしてない」
「あ、そう・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・なぁ」
「は、ハイ!?」
「していいか?」
「え!?」
「キス」
「なっ・・・」

誰が、誰に・・・?

そう、怖くて聞けなくてつい立ち上がろうとした藤真を、
素早く回り込んだ流川が、両手で肩を押して再度、強制的に座らせた。

「キス、させて」
「はぁ!?」
「今」
「何で?」
「したいから。イイ?」
「・・・イイ、ワケねーだろ!馬鹿」
「俺がキスしたくなったのはアンタのせい、責任を取れ」
「はっ・・・!?お前、キス魔!?」
「そんなんじゃねー」
「だって、そうだろ!?」
「今まで、こんなにしたいと思ったことねーもん」

もう、滅茶苦茶だ。

「・・俺の今日の任務は、お前にメシを奢ること!以上終わり、だ!!
そこにキスのオプションは含まれていない!!」
「今、含んだ」
「ふざっけんなよお前・・!
大体キスキスって、このエロガキが!!そんなにしたきゃ人形とでもして来い!!
それか、お前のこと好きな追っかけの女として来いよ!!
掃いて捨てるほどいんだろ!?泣いて喜ぶぜ!?」
「ヤだ。アンタがいい」
「えっ・・・」

藤真は、絶句した。

固まっている藤真を、流川が優しく抑え込んだ。

「お前・・・何で俺なの?俺をどうしたいの?」

顔を近づけてきた流川が、一瞬止まった。が。

「わかんねーけど、藤真サンとキスしたい」

・・・流川のその驚愕のセリフを受けて、
藤真は考えもまとまらないまま、何かを発そうと少し口を開けた。

あ、俺は今、魚になったんだ、と藤真はどうでもいいことを思った。
流川がさっきまで食べていた、焼き魚に。
綺麗な、無駄のない箸さばきで捕食していた・・・。

そうだ、この行為に深い意味なんてない。
俺は魚なんだ。
ただ、そこに俺という魚があるかこの男は・・流川はそれを食べようとしているだけだ。
でも、そんな理屈は、錯覚は許されない。やっぱり駄目だ。

・・・我に返った藤真は、抗議の声を上げようとした。

だが、流川の端正な顔は接触寸前で
もう、言葉にはならなかった・・・。



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流藤祭りの締めくくり(まだやってたの?)に
5感シリーズ第4弾。流川は、味覚って感じ!!

BGMは、MARiA&EasyPopでGirls。最近、ボカロ曲にハマってます。
すんなり感情移入できるー。
人が歌う歌は、その人が投影されずぎてて、時に自分が感情移入するのにノイズが走るから。


(2013.12.07)

 
(お手数ですが、ブラウザでお戻り願います)